
2026年8月12日 沖縄タイムス くらし相談室【法律】掲載
公害調停 話し合いで紛争解決へ
隣の工場からの騒音を止めたい、スタジアムからの音漏れが夜遅くまでうるさい、廃棄物処理場から汚水が流れてきて困っているー。周辺環境の問題で裁判まではしたくないものの、話し合いで解決したいと考えたことはありませんか?
このような問題を解決する手続きの一つとして、公害審査会の公害調停があります。公害調停は、四大公害病の歴史を経て制定された公害紛争処理法が定める紛争処理制度の一つです。事業活動や人の活動に伴い生じる七つの公害(大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭)のうち、民事上の紛争を取り扱っています。
調停委員会は学識経験者や弁護士、医師など3名の調停委員で構成され、申請人や被申請人から紛争の事情を聴き、時には調停委員が現地に赴いて状況を確認して、話し合いによる紛争の解決を図ります。
沖縄県では、1973年の制度開始以降、20件以上の事案を取り扱ってきました。最近では、自動車解体工場からの騒音や悪臭のために自宅の窓を開けて生活することもできないなどとして、住民が工場側に対策を求めた事案がありました。4回の調停期日を経て、住民側と工場との境界に設置されているトタンの張替えなどを工場側が行うなどの合意に至り、調停が成立しました。
残念ながら双方の歩み寄りが難しいとして調停が成立しない事案もあります。ただ、紛争によっては、調停委員が現地に赴くことで、当事者が提出した書面の内容のみでは理解が難しい紛争の実情を把握し、状況に応じた解決案を考えますので、裁判所の調停手続きよりも柔軟な対応が図れる場合もあります。県のホームページにこれまでに終結した事件の概要が掲載されていますので、参考にしてください。
沖縄弁護士会
会員 赤嶺朝子







