決議・声明

辺野古新基地建設のための設計概要変更承認申請に抗議するとともに、沖縄県民の意思を尊重し、沖縄県との真摯な対話を求める会長声明
 
 沖縄防衛局は、4月21日、軟弱地盤の改良工事に伴う設計概要変更承認申請書を沖縄県に提出した。かかる申請は、軟弱地盤が辺野古新基地建設工事着工後に大浦湾側で確認され、埋立承認を受けた際の設計概要に変更が生じたため、改めて県知事の承認を得なければならないとしてなされたものである。
 辺野古新基地建設は、沖縄県民に過重な基地負担の継続を強いるとともに、辺野古・大浦湾の豊かな自然環境を不可逆的に破壊するものである。
沖縄県民の多くは、同基地建設の是非を主たる争点として実施された過去二度の県知事選挙、2019(平成31)年2月の県民投票などで、同基地建設に対して明確に反対の意思を示してきた。
当会においても、同基地建設は重大な人権問題であるとの立場から、「辺野古新基地建設工事の停止と沖縄県との真摯な対話を求める総会決議」(2017(平成29年)年6月1日)、「辺野古新基地建設のための土砂投入を強行せず工事を停止し,沖縄県及び沖縄県民との真摯な対話を求める会長声明」(2018(平成30)年7月25日)、「辺野古新基地建設が、沖縄県民にのみ過重な負担を強い、その尊厳を踏みにじるものであることに鑑み、解決に向けた主体的な取り組みを日本国民全体に呼びかけるとともに、政府に対し、沖縄県民の民意を尊重することを求める総会決議」(同年12月12日)を出すなど、繰り返し見解を表明してきた。
政府は、再三示された沖縄県民の意思を尊重して同基地建設を停止すべきである。しかし、新型コロナウイルス感染拡大が深刻さを増し、沖縄県が独自の緊急事態宣言を出した翌日に、沖縄防衛局が辺野古新基地建設のための設計概要変更承認申請をしたことは、同基地建設を進める態度にほかならず、前記県民投票などで明確に示された沖縄県民の民意と尊厳を踏みにじるものである。
また、政府は同基地建設ありきの態度で沖縄県との真摯な対話を拒んできたが、今般の申請にあたっても、沖縄県や沖縄県民に十分な説明をしておらず、県民の意思を軽視する態度は断じて容認できない。
よって当会は、政府に対し、辺野古新基地建設工事の停止を求め、設計概要変更承認申請に抗議するとともに、同基地建設に関する沖縄県民の意思を尊重し、沖縄県と真摯な対話を行うことを求める。
 
以 上
 
2020年(令和2年)4月30日
沖縄弁護士会        
会 長  村 上 尚 子

 

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