決議・声明

死刑執行に抗議する会長声明
 
昨年12月27日,大阪拘置所において2名の死刑が執行された。山下貴司法務大臣による初めての執行である。7月6日には7名,同月26日には6名に対する死刑執行が行われており,1年間で合計15名という大量の死刑執行がなされたことになる。
当会は,昨年7月の各死刑執行に対し,強く抗議するとともに,死刑執行停止・死刑廃止を求める会長声明を発出した。国内・国外の多くの機関・団体がこの大量執行を批判し,政府に対し,死刑廃止に向けた検討を進めること等を求めた。こうした批判を一顧だにせず,政府が再び死刑を執行したことは誠に遺憾である。
国連犯罪防止刑事司法会議が我が国において開催される2020年を間近に控えるこの時期に,基本的人権の尊重という価値理念に立脚する我が国が,死刑執行を頑なに続けることについて,国際的な批判が高まることは免れない。
犯罪により命が奪われた場合,失われた命は二度と戻ってこない。犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望むことはごく自然なことであり,その心情は十分に理解できるところである。犯罪被害者や遺族を支援する施策はいまだ不十分であり,これを充実させていくことは大切なことである。
他方で,刑罰制度は,犯罪への応報であることにとどまらず,社会復帰の達成に資するものでなければならない。そのため日本弁護士連合会は,死刑制度が抱える様々な問題点をも踏まえ,2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであると宣言した。国際的には死刑廃止が大きな潮流になっていること,死刑判決を下すのは人であり,死刑制度がある以上,誤判による処刑を避けることはできないことなどに照らし,当会もこの宣言を支持するものである。
今回の死刑執行を踏まえ,改めて,当会は,死刑執行に強く抗議し,政府が,死刑を廃止するまで全ての死刑執行を直ちに停止した上で,2020年までに死刑制度を廃止するよう,求める次第である。
 
                               2019年(平成31年)1月18日
      沖縄弁護士会
   会長 天 方   徹

 

ファイルのダウンロードはコチラ
PDF

 

前のページへ戻る