決議・声明

米軍の落下物に対する会長声明

 
 
1 本年12月13日午前10時10分ころ、普天間第二小学校の校庭に、普天間飛行場所属のCH53Eヘリから、約90センチメートル四方、重さ約7.7キログラムの窓枠が落下した。
  報道によれば、落下時、校庭では2年生と4年生の児童約50名が体育の授業を受けており、落下場所と授業を受けていた生徒までは、わずか約13メートルの距離であったという。
  落下場所があと少しずれていれば、本件事故により、児童や職員が深刻な被害に遭うところであった。
  また、自らが通う学校への窓枠の落下を目の当たりにした児童たちが覚えた恐怖・不安や、同学校に子を通わせている保護者が窓枠落下事故の一報を聞いたときの不安は、いかばかりのものであったか、察するに余りある。
  このような事故を起こした米軍、そして普天間飛行場を提供している日本政府は、当分の間、学校や住宅地上空の飛行停止を継続するなど、住民の安全を確保する方策を取ることを最優先するべきであった。
 
2 ところが、米軍は、あろうことか、事故の6日後の12月19日、本件事故の原因を人為的ミス(点検ミス)と発表し、同型機の点検や搭乗員の再教育を実施したとして、CH53Eヘリの飛行を再開させた。そして飛行場周辺の小中学校の上空を、「最大限飛ばない」旨説明している。そして、日本政府までもが、これを容認した。
  しかしながら、これまでの相次ぐ米軍機事故に照らせば、米軍のみによる原因の究明や再発防止策の策定、実行には根本的な不信を抱かざるを得ず、また、住民の生命、身体、財産を守るためには、飛行場周辺の小中学校の上空を「最大限飛ばない」というだけでは不十分である。
  当会は、充分な再発防止策を採らずに安易に飛行再開を行う米軍、及び、これを追認することしかできない日本政府に対して、強く抗議する。
 
3 過去、沖縄県内において、米軍機の墜落や落下物により、幼い子供も含む沖縄県民が命を落とした痛ましい事故が複数発生してきたことは決して忘れてはならない。
当会は、本年12月11日の臨時総会において、「米軍機の相次ぐ事故に強く抗議し、徹底した再発防止を求めるとともに、日米地位協定や法令等の改正を含む実効的な対策を採ることを求める総会決議」を決議したばかりであった。
 
4 このように、米軍航空機による事故が繰り返されている現状に照らせば、もはや、米軍のみによる「原因究明」や「再発防止策」によっては、事故の再発を防ぐことはできないと断じざるを得ない。 
墜落や落下物による事故を防止し、周辺住民の深刻な被害を防止するためには、日本政府が主体となって、原因究明及び米軍における再発防止策の実効性の有無を審査し、米軍によって実効性のある再発防止策が採られたと認められるまでは、飛行を禁止することができるような仕組み作りが必要である。

  よって当会は、本件事故に厳重に抗議し、米軍に対しては、少なくとも原因究明とその説明内容及び再発防止策の有効性について地域住民や地元自治体の十分な理解が得られるまでは、普天間飛行場所属航空機の飛行を停止することを求めるとともに、日米両政府に対しては、直ちに日米地位協定を改正し、日本側において原因究明を行うだけでなく、米軍機の飛行再開の許否を決せられるようにすることを求める。

 

以 上 
 
2017年(平成29年)12月27日
沖縄弁護士会       
会 長  照 屋 兼 一

 

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