決議・声明

オスプレイの配備撤回を求める会長声明

 
1 2016年(平成28年)12月13日、沖縄県名護市東海岸沖の浅瀬にオスプレイが墜落するという事故が発生した。
2 当会は、2012(平成24)年6月25日に、普天間飛行場へのオスプレイ配備が普天間飛行場の危険性をより一層増大させるものであり、沖縄県民の生命、身体及び財産に対する重大な侵害のおそれを生じさせるとして、「沖縄へのオスプレイ配備強行に反対する会長声明」を発し、同年10月1日に、沖縄県民の意思に反してオスプレイの配備を強行したことについて日米両政府に対して抗議し、配備の中止とオスプレイを始めとする在日米軍の配備や装備の変更について国民の意思が反映されるよう日米地位協定の改定を求める「普天間飛行場へのオスプレイ配備開始に抗議する会長声明」を発し、2013年(平成25年)8月5日に、沖縄県民の意思を尊重してオスプレイの普天間飛行場への追加配備を取りやめることを求める「オスプレイの追加配備に抗議する会長声明」を発出している。
  当会は、これらの会長声明において、オスプレイには危険性が極めて高いことを繰り返し指摘してきたが、今回の墜落事故は、まさにその危険性が現実化したものである。
3 今回の事故は、たまたま海上で発生したため県民に対する重大な被害は発生していないが事故現場と住宅までの距離はわずかであったし、そもそもオスプレイは宜野湾市の中心に位置する普天間飛行場に配備され宜野湾市だけでなく那覇市をはじめとする沖縄本島全域の市街地上空を常時飛行していることに加え、人ロ密集地域での低空飛行や夜間の飛行などを可能な限り避けるとしたオスプレイ訓練時の運用ルールに違反する常態であることからすれば、2004年(平成16年)8月13日に発生した沖縄国際大学敷地内へのヘリコプター墜落事故のような市街地での墜落事故が発生して重大な被害がもたらされる恐れが極めて高い。
4 沖縄県においては、県議会及び県内市町村議会の全てにおいてオスプレイ配備に抗議する決議がなされるなど、日米両政府に対して配備計画撤回を求め続けてきたが、これらの要求は無視され沖縄へのオスプレイ配備が強行されてきた。
  しかし、今回のオスプレイ墜落事故の発生によってその危険性が現実化している以上、オスプレイの飛行を一時的に停止するだけでなく、その配備自体を早急に撤回すべきである。
5 当会は、日米両政府に対し、沖縄県民の生命、身体及び財産に対する重大な侵害の危険性を除去するため、オスプレイの配備撤回を強く求めるものである。
 
 
2016年(平成28年)12月15日
沖縄弁護士会
会 長  池 田    修

 

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