決議・声明

普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価手続のやり直しを求める声明

 
1 沖縄防衛局は、2009年4月、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価準備書(以下「本件準備書」という。)を公告・縦覧した。
2 当会は、2008年1月28日、沖縄防衛局が2007年8月に公告縦覧した上記事業に係る環境影響評価方法書について、審査するに足りない不十分な内容であること、方法書手続終了前から環境現況調査を行ったことを指摘し、環境影響評価法(以下「法」という。)が定める手続の趣旨を没却するものであり、方法書手続をやり直すべきであるとの会長声明を発した。
3 しかしながら、沖縄防衛局は、方法書手続をやり直すことのないまま、2回にわたって大量の追加・修正資料を沖縄県に提出しただけで環境影響調査に着手し、本件準備書を作成した。これら追加・修正は、およそ1700万立方メートルもの埋立土砂の調達が追加されるなど、重大な変更を含むものであった。
4 そればかりか本件準備書をみると、方法書の追加・修正資料にも記載されていなかった4か所のヘリパッドや係船機能付き護岸などの施設の記載が新たに追加されており、また、方法書作成手続に先立ってなされた事前調査の結果が予測・評価の参考として引用されている。法の定める手続を甚だしく無視するものである。
5 また、法は方法書に基づいた調査・予測・評価をした上で準備書を公告縦覧して市民の意見を聴取すべきことを求めているにもかかわらわず、沖縄防衛局は、本件準備書作成後も、環境現況追加調査の名の下に継続して調査を行っていて、いわば調査作業中途であって、なお未完成である準備書を公告縦覧に供した違法もある。
6 環境影響評価のための調査開始前にその方法書を作成して市民の意見を求める手続的義務を課し、調査終了後の準備書作成後も同様の義務を課し、かかる市民参加の適正手続によって環境影響の防止低減を目指すものが法の要求するところである。しかし、沖縄防衛局による一連の環境影響評価手続は、方法書作成以前の環境現況調査にも、方法書作成後の大幅な加筆修正にも市民の意見を聴取することなく、その上準備書作成後の追加調査にも市民の意見を聴取しないというものであり、幾重にもわたって法の趣旨を著しく損なう手続に終始していると言わざるを得ない。
 当会は、沖縄防衛局に対し、法の趣旨を全うするため、本件準備書を撤回し、方法書を作成し直してその公告縦覧手続から改めてやり直すことを求めるものである。
   2009年(平成21年)6月22日
沖縄弁護士会          
会 長  玉 城 辰 彦

 

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