法律コラム

 

人権救済申立制度 対象広い身近な防衛手段

2026年3月17日 沖縄タイムス くらし相談室【法律】掲載

人権救済申立制度 対象広い身近な防衛手段

 

Q:昨年10月、元TOKIOのメンバーが日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済申立てを行ったことが報道されていましたが、そもそも人権救済申立制度とは何ですか?

 

A:人権救済申立制度とは、個人の人権が侵害されている、またはその恐れがある場合に日弁連や各弁護士会連合会、各弁護士会に対応を求める制度です。被害を受けた本人に限らず申し立てることができ、原則費用はかかりません。

 申し立てが受理されると、弁護士会に設置された人権擁護委員会が内容を精査し、調査を開始するか否かを検討します。調査では、中立的な立場から申立人や相手方から事情を聴取し、関係資料の提出を求めたりするなどして、事実関係や人権侵害の有無を慎重に検討します。調査の結果、人権侵害やその恐れが認められる場合には、相手方や関係機関に対して、勧告・要望・警告などの措置を行い、問題の是正や再発防止を求めます。

 裁判などの司法手続になじみにくい場合も、救済の必要の高い事件について法的な判断を求めることが可能になります。また、勧告等の措置に法的強制力はありませんが、司法の一翼を担う弁護士会の判断として少なからず社会的影響力を持つため、人権救済につながることが期待できます。

 この制度が対象とする人権問題は幅広く、差別的取扱い、職場や学校でのいじめ・ハラスメント、プライバシーの侵害、外国人や障害のある人に対する不当な対応など、多様な問題が含まれます。申し立ての内容により、司法手続きその他の救済手段が相当と認められた場合は、人権救済として取り扱うことができないことがあるのでご留意ください。人権を守るための身近な手段の一つとしてご利用いただければと思います。

沖縄弁護士会

会員 翁長 勇人

 

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