2025年8月19日 沖縄タイムス くらし相談室【法律】掲載
人格持つ主体として尊重
「県こども・若者計画(未来のおきなわっこプラン)」をご存じでしょうか?
2023年4月に、国においてこども家庭庁が発足し、こども基本法が施行されました。これを受け、沖縄県は、幅広いこども施策を横断的・重層的に推進していくため、 既存の個別計画に加え、少子化対策等の施策を統合して一体的に取りまとめた計画として、令和7年3月、「沖縄県こども・若者計画(未来のおきなわっこプラン)」を策定しました。
この計画は、全てのこどもたちが、貧困などの経済的状況や離島を含め暮らしている地域など、その生まれ育った環境によって左右されることなく、夢や希望を持って健やかに成長していける「誰一人取り残さないこどもまんなか社会」の実現を目指しています。
この計画が目指す「こどもまんなか社会」の実現に向けては、全てのこどもたちが権利の主体として尊重され、こどもの最善の利益が優先されるとともに、こどもが意見を表明し、その意見が尊重され、社会に参画する機会が確保される必要があります。そのためには、こどもが自身の権利のことを知り、社会全体もこどもを権利の主体として認識し、こどもの自己選択・自己決定・自己実現を後押しすることが必要です。このように、すべてのこども・おとなが、こどもの権利のこと知り、社会全体でこどもの権利の理解を深めていくことが求められています。
こどもとおとなは、社会を構成する対等かつ全面的なパートナーであり、こどもを未熟な保護の客体として扱うのではなく、こどもを独立の人格を持った権利の主体として尊重しなければなりません。こどもの権利の理念や計画を知っていただき、こどももおとなも、みんなが幸せな生活を送ることができる「誰一人取り残さないこどもまんなか社会」を一緒につくっていきましょう。
沖縄弁護士会
会員 横江 崇