法律コラム

 

別居中生活費もらえるか

2025年6月18日 琉球新報 法律何でも相談コラム 掲載

別居中生活費もらえるか

 

Q私は、5人家族(夫と未就学児3名)です。パート勤めで、毎月の給料は10万円未満です。夫は大手企業に勤めており、高額な給与を受け取っているはずですが、毎月の生活費として5万円を渡すのみで、給料の額を教えてくれません。また、夫から毎日のように私の人格を否定する発言を受けています。今の生活は精神的に苦しいので、離婚に向けて別居したいと考えていますが、離婚までの別居期間中、夫から生活費はもらえますか?

 

A婚姻共同生活を維持するための費用を「婚姻費用」といいます(夫婦に未成熟子がいれば、その養育費も婚姻費用に含まれます。)。夫婦は協力扶助義務を負っており、婚姻費用を分担しなければなりませんので、別居期間中も離婚成立までは相応の婚姻費用を支払ってもらうことができます。なお、夫婦は、協力扶助義務を負いますので、夫が自分の給与から必要な金銭を取り、残りを妻に渡してこれで生活すべきということにはなりません。婚姻費用の分担について、夫婦間で話がまとまらない場合には、家庭裁判所に調停や審判の申立てをすることができ、それぞれの資産、収入、その他一切の事情を考慮してその内容や程度を決めることになります。婚姻費用分担請求を含む家事の問題は、複雑な判断を必要とする場面が多くありますので、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。

沖縄弁護士会では、626日(木)に女性の権利ホットライン(無料電話法律相談)を実施します(午前10時から午後2時まで/電話番号:098-860-5015)。お気軽にご相談ください。

沖縄弁護士会

会員 伊佐 香菜子

 

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