法律コラム

 

いのちの相談 法的な解決策を考える

Q 結婚して近くに住んでいる娘がいますが、新型コロナウイルス感染症の影響で解雇されてしまったようです。借金もあり、いつも生活が苦しいと言っています。夫ともうまくいっていないようで、夜も眠れず、不安でおかしくなりそうだと言っています。とはいえ、私自身も高齢の一人暮らしで、周りに相談できる人がおらず、どうしていいか分かりません。こんなとき、弁護士に相談できることもあるのでしょうか。

 

A 大変心配な状況ですね。夜も眠れないほど不安感が強くなる直接の原因は、心の健康問題にあります。しかし、その背後には、失業、多重債務、DVを含む家庭問題、職場での人間関係、いじめなどの社会経済的なトラブルが存在することが少なくありません。


 最近のコロナ禍の中では、社会経済的な問題を抱えている人が多い上、外出自粛や感染防止のために孤立してしまいがちで、心理的に追い込まれやすい環境にあります。「眠れない」といった言動は、心理的に追い込まれているサインかもしれません。医療などの適切な支援につなぐとともに、心の健康問題の背後にある社会経済的なトラブルに適切に対処することが必要です。


 沖縄弁護士会では、自死に追い込まれることを防ぐために専用電話「いのちみつめる無料法律相談」(098-943-3748)を設けています。弁護士が社会経済的な問題について法的な観点から解決策を考えていくことで、相談者に心の健康を取り戻していただくことを目指しています。悩んでいるご本人はもちろんのこと、何らかのサインに気が付いたご家族など周りの方々からも、弁護士が無料でご相談をお受けしています。自分の悩みが法律問題なのかどうか分からなくてもかまいません。お気軽にご連絡・ご相談ください。


 

            

沖縄弁護士会

会員 大島 優樹 

※沖縄タイムス2021年2月8日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

 

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