法律コラム

 

人種や性に関する差別 「関係ない」から「尊重」へ

 今年5月の米国での事件をきっかけに、「ブラック・ライブズ・マター」が、全世界に広がりました。私たちにとって人ごとではなく、“肌の色の違い”や“国籍の違い”による差別や嫌がらせはわが国でも問題となっています。


 こうした差別や嫌がらせを批判する際に「肌の色なんて関係ない」、「国籍なんて関係ない」という言葉がしばしば使われます。「同じ人間」という視点でいえば、たしかにこうした言葉は思いやりのある意味を持つと思われます。

 

 他方で、肌の色や国籍は、本来各人の誇りある個性そのものです。「人はそれぞれ異なる個性を有し、他者はそれを尊重すべき」との視点に立ったとき、肌の色や国籍は「関係ない」を超えて、互いに「尊重すべき」ものとなるはずです。 

 

 同じように、SOGIの問題、すなわちどの性を好きになるか(セクシュアル・オリエンテーション)、自らの性をどう考えるか(ジェンダー・アイデンティティ)も、人それぞれであり、それこそが各人の替えがたい誇りある個性そのものです。自分と異なる個性であっても、まずは心から尊重しようとしたとき、そして互いにこれを尊重しあえたとき、全ての人が住みやすい社会が実現するといえるのではないでしょうか。 

 

 沖縄弁護士会は、昨年3月に「レインボー宣言~性の多様性を尊重し性的少数者のさらなる権利保障に努めることの宣言」を出し、「LGBTQ無料電話法律相談(080-7986-3595、第1火曜17~19時、第3金曜12~14時)」を行ったり、ピンクドット沖縄など関連イベントへの参加等の活動を行っています。当会はこれからも、沖縄が、多様性が尊重され全ての人にとって住みやすい社会となるよう、法的制度の創設・拡充への協力や、法的課題の解決に積極的に取り組んでいきます。

    

沖縄弁護士会

会員 白 充 

※沖縄タイムス2020年8月10日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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