高齢者被害 防ぐには
Q.高齢者の消費者トラブルが後を絶たないと聞きます。どのようなトラブルがあるのでしょうか。また,このようなトラブルを防ぐには,どのようにすれば良いのでしょうか。
A.全国の消費生活センターなどに寄せられる消費者トラブルの相談のうち,60歳以上の方からの相談は,2018年度には約43万件と過去10年で最高を更新しています。高齢者は,「お金」,「健康」,「孤独」の3つの不安を抱えていると言われています。悪徳業者はここにつけ込み,高齢者に親切にするなどして信用させてその財産を狙っています。
特徴としては,①デジタルコンテンツ,インターネット接続回線などの情報通信関連のトラブルが非常に多いこと②高齢者は自宅にいることも多いため,高齢になるにつれ訪問販売や電話勧誘販売によるトラブルが多くなる傾向があります。説明をよく理解せずにスマートフォンとタブレットを契約して高額な請求を受けた,契約先の電話会社の関連先と偽られて別会社と高額の光回線の契約をしてしまった,認知症の高齢者がリフォーム工事やふとんなどを次々に契約させられたなどの事例が報告されています。
消費者トラブルを防ぐには,①自分は大丈夫と思い込まず,どのような事例や手口があるのか日頃から知っておくこと②家族や地域など周囲が見守りをすること③不安に思ったらすぐに相談することが大切です。最近では,独居高齢者の増加に伴い,各地の自治体などが中心となって地域での見守りネットワークの構築が進められています。また,相談についても,消費生活センターへの相談ができる消費者ホットライン「188」も活用されています。沖縄弁護士会でも相談を受け付けておりますので,お気軽にご相談ください
沖縄弁護士会
会員 寺田 明弘
※琉球新報2020年3月21日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。