法律コラム

 

被災者の救済 り災証明の認定必要

 昨今、台風や大雨などによる大規模な災害が頻繁に発生しています。そして、強風による損壊、河川の氾濫による浸水などにより住まいが被災してしまうと、国民の生活は直ちに深刻なダメージを受けてしまいます。国は、被災者を支援するために、災害救助法や被災者生活再建支援法など、各種救済制度を設けています。しかし、災害が身近なものと捉えられていないこともあり、制度の内容は一般的にほとんど知られていません。私たち弁護士は、法律の専門家として、各種救済制度の利用方法などを、被災者の方々にお伝えする役割も担っています。

 

 例えば、台風の被害を受けた方から、「1階の天井まで浸水してしまったが、どういった支援を受けられるのか」「保険に加入していたが、保険証書が流出してしまってわからない。どうしたらよいか」「土地の権利証が金庫ごと流れてしまった。実印もなくなった。どうしたらよいか」「高齢で修理費を用意することも、借りることもできそうもない。どうしたらよいか」といった相談がありました。


こうしたお困りごとについては、「まずは市町村役場でり災証明の認定を受けましょう。り災証明書は、災害被害にあったことを証明するもので、災害見舞金の申請、税金の減免、保険等で必要となります。」「損害保険協会が特設ダイヤルを設置していますので、そこに問い合わせると保険の加入状況を調査できます」「権利証自体はレシートのようなものですから、無くなっても直ちに問題はありません。実印についても、印鑑登録の廃止を役所に届出れば大丈夫です」「借入が困難な方に行政が貸付をする災害援護資金貸付という制度もあります」といったアドバイスをしております。他にも様々なお困りごとがあると思いますが、どうぞお気軽に弁護士にアドバイスを求めて頂けると幸いです。

            

沖縄弁護士会

会員 小口幸人
 

※沖縄タイムス2019年11月11日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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