法律コラム

 

子どもの貧困とは

Q.昨今、「子どもの貧困」という言葉をよく耳にします。子どもの貧困とはどのようなもので、何か対応策はとられているのでしょうか。

 
A.現在、日本では子どもの6人に一人が貧困状態にあるとされています。日本の子どもの貧困率は先進国で最悪の水準にあり、ひとり親世帯の増加に伴い、貧困状態にある親から子への貧困の連鎖といったことも指摘されています。このような貧困世帯においては、病気となった子どもに満足な医療すら受けさせてあげることができないといった問題も存在します。
 
 このような深刻な子どもの貧困問題に対応するため、国は2013年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を制定しました。子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的として、国及び地方公共団体に、貧困対策を実施する責務があることを定め、各自治体が保育・教育・医療等あらゆる面から、子どもに対する支援策を実施しています。
 
 しかしながら、これら施策は、いまだ十分なものとはいえません。
子どもは、未来を担う「社会の宝」、無限の可能性がある存在であり、健やかに成長し発達するための権利が保障されています
 
 弁護士会は、10月25日(金)9時~正午、沖縄ハーバービューホテルにおいて、子どもの貧困に対するシンポジウムを開催します。「子どもの貧困のない社会を目指して」というテーマで、国や沖縄県が実施している施策や民間の団体の活動等について、講演と大学教授や各分野の専門家の方々をパネリストとしてお招きしたパネルディスカッションを行います。社会全体の問題として検討するため、広く一般の皆さまにも参加を呼びかけていますので、多くのご参加をお待ちしております。事前申し込みは不要・入場無料です。 
 
 
沖縄弁護士会
会員 古謝 千尋
 
 
※琉球新報2019年10月23日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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