法律コラム

 

元気のない夫と息子

Q.最近、夫と息子の元気がありません。夫は、上司から毎日怒鳴られているようで、晩酌の量も日に日に増えていっています。息子は来週から学校が始まるのですが「学校には行きたくない」と言ったきり、黙ってしまいました。二人の話を聞いてあげたいのですが、どう対処していいか分からず、私自身も母の介護が大変で、最近はよく眠れず、余裕がありません。話を聞いてもらえるでしょうか。

 
A.自死を考えている方の多くは、何らかのサインを出しているといわれます。表情が暗く、元気がなくなった、飲酒量が増えた、夜眠れなくなったなどの変化は、心理的に追い込まれているサインかもしれません。
 
 死にたいと思うようになる原因は、生活苦や多重債務、職場や学校でのいじめやパワハラ、介護疲れなど様々です。これらの問題は、法律に基づいて適切に対処・対応することで解決できる場合がありますが、悩みを抱えている本人は、心理的に追い込まれているため、適切に対処・対応することができないまま、心を病んでしまい、結果、自死に追い込まれてしまうことがあります。
 
 沖縄弁護士会では、専用電話を設け、金銭問題、家庭問題、労働問題などで悩んでいる方々の問題解決を図り、自死に追い込まれることを防ぐため、弁護士が相談を受けて、法的な観点から、問題解決に向けた適切な対処・対応方法を考えていく「いのちみつめる無料法律相談」を実施しています。悩んでいるご本人はもちろんのこと、サインに気が付いたご家族や援助団体のスタッフなど、周りの方々などからもお電話をいただき、弁護士が無料でご相談をお受けします。
 
 自分の悩みが法律問題なのかどうか分からなくても構いません。お気軽にご連絡、ご相談ください。

 
沖縄弁護士会
会員 郷原 隆
 
 
※琉球新報2019年8月27日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。
 
 

 

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