法律コラム

 

最低賃金 労使ともに時給の確認を

 沖縄県の最低賃金額がいくらか知っていますか?
 最低賃金とは、最低賃金法に基づいて定められる、使用者が労働者に支払わなければならない最低限度の賃金額のことです。この最低賃金制度は、パートやアルバイト等の働き方の違いに関係なく全ての労働者に適用されます。最低賃金は、地域別に定めることとなっており、各都道府県によって金額が異なります。


 沖縄県の最低賃金額は、762円となっています(2018年10月3日以降)。沖縄県の最低賃金額は、昨年途中まで全国最低でしたが、昨年10月3日から25円の増額となったことにより、6年ぶりに全国最低額から脱しました。なお、最も高い東京都は985円であり、223円の差があります。


 最低賃金額は、最低賃金審議会において毎年審議を行っており、その都度(毎年10月1日以降をめどに)見直される可能性があるため、毎年確認する必要があります。政府は、最低賃金を毎年3%程度引き上げ、将来は全国加重平均1000円程度にする方針を示していますので、最低賃金は毎年増額していく見込みです。


 労働契約において最低賃金未満の額を定めた場合、その部分は無効となり、最低賃金額が契約内容となります。また、使用者が最低賃金未満の賃金を支払っていた場合、労働者は使用者に対し最低賃金との差額を請求することができます。違反した使用者には刑事罰も科されます。


 労働者の方も、使用者の方も、是非、ご自分の賃金や支給している賃金を時間額に計算し直し、最低賃金額を下回っていないか確認してみて下さい。その際は、臨時に支払われる手当や賞与等は計算の対象となりませんのでご注意下さい。


 ご不明な点があってお困りの場合は、最寄りの労働基準監督署や弁護士等の専門家へご相談下さい。            

沖縄弁護士会

会員 津嘉山陽
 

※沖縄タイムス2019年8月12日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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