法律コラム

 

弁護士のバッジは何?

Q.テレビドラマなどで、弁護士が胸に金色のバッジをしているのを見かけますが、あのバッジには何が描かれ、そのデザインは何を表しているのですか?

 
A.弁護士は、弁護士登録すると、日本弁護士連合会(日弁連)から弁護士バッジを交付されます。
 
 バッジは、日弁連の弁護士記章規則により、表面の意匠は「十六弁のひまわり草の花の中心部に秤一台を配する」とされ、色彩は「花弁の部分は金色。中心部地色は銀色」と定められています。つまり、金色の丸いひまわりの花と、銀色の秤が描かれているのです。ひまわりは自由と正義、秤は公正と平等を表していると言われております。
 
 弁護士記章規則が定められたのは昭和24(1949)年です。同じ年に現行の弁護士法も制定され、その第1条で、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することが弁護士の使命であると定められました。そして弁護士が使命を果たすためには国家権力から自由独立であることが必要であり、弁護士の指導監督は日弁連と弁護士会のみが行うという弁護士自治も定められました。
 
 昭和20年に戦争が終わり、昭和22年に国民の権利と自由を保障する日本国憲法が施行され、平和で自由な新しい社会が始まった時代に、弁護士が国民の権利と自由を守り社会正義を実現する自由独立な存在であることを象徴する印として、弁護士バッジが作られたのだろうと思います。
 
 時は流れ、昭和から平成、令和の時代になりました。終戦後の新しい時代の始まりに自由と正義の担い手となることを固く誓う証したる弁護士バッジを胸に、私たち弁護士は、時代や社会が移り変わっても、変わることなく、弁護士の使命を全うし続けていく存在でありたいと思います。
 
  
沖縄弁護士会
会長 赤嶺 真也
 
 
※琉球新報2019年5月23日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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