法律コラム

 

退職、社の了解必要?

Q.私は会社員です。連日残業で心身共に疲れ果ててしまったので退職したいと会社に伝えたところ、「待ってくれ」といって認めてもらえません。会社の了解がないと辞めることができないのでしょうか。

 
A.契約期間の定めの有無に関係なく、入社時に示された労働条件と実際とが異なる場合、会社の意向と関係なく直ちに退職することができます。また、心身の不調で就業できないなどやむを得ない理由があるときも同様です。
 
 仮にそうでなくても契約期間の定めのない場合(一般的には正社員)は、労働者はいつでも退職の意思を伝えることで、一定期間経過後(法律上は最短2週間)に契約を終了させることができます。理由は問いませんし、会社の了解も不要です。他方、期間の定めのある雇用契約(契約社員や嘱託社員等)の場合、前記のとおりやむを得ない理由がなければ中途解約できません。会社了解の上で合意退職することになります(1年を超える契約の場合例外あり)。
 
 最近、本人の代わりに退職の意向を会社に伝える、退職代行サービスを利用する人が増えているとのことです。メールや電話だけで済むところもあり気軽に利用できるようです。
 
 しかし、退職に当たってはその要件の検討が必要ですし、未払の残業代や未消化の年休があればそれらの処理、心身の不調が長時間労働による場合は賠償請求の可否など法律上検討しなければならない点が多数あります。これらを会社と交渉できるのは弁護士に限られます。 
 
 面倒かもしれませんが、弁護士に話を聞いてもらい問題点を全て解決してもらった方が安心して次の仕事に就けると思います。費用が不安の方は法テラスの利用をご検討下さい。   
  
  
沖縄弁護士会
会員 平良 卓也
 
 
※琉球新報2019年2月22日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。
 
 
 

 

 

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