法律コラム

 

障害年金の支給停止

Q.現在、障害年金を受給しているのですが、最近、一部の受給者について、障害年金の支給停止が検討されているとの話を耳にしました。就労はしていますが、年金収入が無くなれば生活できません。障害年金の支給を停止された場合、どうすればよいでしょうか。

 
A.2018年5月、日本年金機構が、全国で1000人を超える障害年金受給者に対し、支給を取りやめる可能性があるとの通知をしていたことが分かりました。その後、支給打ち切りの方針は撤回され、障害年金の支給は継続されることになりましたが、2017年4月以降の1年間で、障害年金の支給を打切られた方が約2900人いることも明らかとなりました。背景には、国が、2017年4月に、都道府県単位であった障害年金支給の裁定審査の手続を東京に集約したことがあると考えられます。
 
 しかし、障害年金の受給は、障害のある方の生活を支える憲法・法令に基づく基本的権利です。障害の程度や状況が、障害年金の支給を必要とするものであれば、障害年金の支給は継続されなければなりません。
 
 弁護士は、年金の裁定請求の段階から関与することもできますし、障害年金の支給停止処分や不支給処分に対する審査請求等の手続によって適切な受給権が確保できる場合があります。障害年金が打ち切られたり、支給が打ち切られるのではないかとの不安をお持ちの方は、弁護士にご相談ください。 
 
 沖縄弁護士会では、2018年12月21日(金)午前10時~午後4時の間、専用電話(電話番号 0570-051-221)を設け、支給停止問題に限らず、障害年金全般に関する法律相談(全国一斉障害年金電話法律相談会)を実施致します。お気軽にご連絡・ご相談ください。    
  
  
沖縄弁護士会
会員 伊藤 修太
 
 
※琉球新報2018年12月20日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。
 

 

前のページへ戻る