法律コラム

 

自死を防ぐために

Q.友人から「最近、体の調子が悪くて会社を休んでいる。通院しないといけないし、子育ても大変、以前借りたお金の返済も残っているのに、上司からは、『このままでは会社が迷惑するから辞めた方がいいんじゃないか』と言われた。この先どうやって生きていけばいいんだろう。いっそのこと死んでしまいたい」という相談を受けました。このような問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。

 
A.死にたいと思うほど悩んでいる方の多くは、生活苦、多重債務などの金銭問題、職場でのいじめやパワハラなどの労働問題、夫婦関係の不和や家庭内暴力などの家庭問題その他の社会経済的な問題を抱えています。
 
 これらの問題は、法律に基づいて適切に対処・対応することで解決できる場合がありますが、問題を抱えている本人は、心理的に追い込まれているため、適切に対処・対応することができないまま、心を病んでしまい、結果、自死に追い込まれてしまうことがあります。
 
 沖縄弁護士会では、専用電話を設け、金銭問題、家庭問題、労働問題などの社会経済的な問題で悩んでいる方々の問題解決を図り、自死に追い込まれることを防ぐため、弁護士が相談を受けて、法的な観点から、問題解決に向けた適切な対処・対応方法を考えていく「いのちみつめる無料法律相談」を実施しています。死にたいと思うほど悩んでいるご本人はもちろんのこと、そのご親族や援助団体のスタッフなどご本人の周りの方々などからもお電話をいただき、弁護士が無料でご相談をお受けします。 
 
 自分の悩みが法律問題なのかどうか分からなくてもかまいません。お気軽にご連絡・ご相談ください。    
  
  
沖縄弁護士会
会員 島袋 達志
 
 
※琉球新報2018年11月20日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

前のページへ戻る