弁護士の仕事とは
Q.弁護士は普段、どのような仕事をしていますか。
A.皆さんはどのような仕事をしていると思われますか。罪を犯したかもしれない人を弁護すること、法律相談、民事・家事の裁判における代理人として本人の代わりに弁論することなどが典型的かもしれません。ただ、弁護士の仕事はさまざまなフィールドに及んでいます。
例えば、企業活動の支援です。私たちの国は、法律によって成り立っている「法治国家」であり、経済活動は、法律によって一定のルールが定められ、様々な契約によって支えられています。そのため、企業が法に則り適切に活動し、利益を上げ、社会や従業員に還元するには、法律や契約について適切なアドバイスを受けることが大切で、弁護士は、そこで重要な役割を果たしています。
法改正に対する意見を述べたり、立法の提案をする政治家に転身したり、政治家の政策秘書として活躍したりというように、社会のルール作りに直接参画する例も多くみられます。
近年では、役所や会社に所属しながら、組織のためにその知見を生かす「インハウス・ロイヤー」も増えています。組織内のコンプライアンス(法令順守)や企業の社会的責任の重要性が増している昨今、組織内で働く弁護士のニーズはますます高まっています。
企業の不祥事や学校でのいじめ等が起きた際の第三者委員会や自治体の各種委員会などに委員として選任されることも多く、学校に出向き、いじめ予防等の講演や授業を行うことも増えています。
弁護士の使命は、基本的人権の擁護と社会正義の実現にあると法律で定められています。私たちは、社会の様々な場面においてこの使命を果たすべく、日々奮闘しています。
沖縄弁護士会
会長 天方 徹
※琉球新報2018年8月24日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。