国選弁護制度とは
Q.警察に捕まると弁護士をつけられると聞きました。どのような制度ですか。
A.勾留という手続きにより身体を拘束された刑事事件の被疑者(犯罪の疑いを受けてまだ起訴されていない人)が,貧困などの理由で私選弁護人を選任することができないときに,国の費用で弁護人の選任を請求することができる制度です。被疑者国選弁護制度といいます。
この制度は平成18年から始まりましたが,国選弁護人を選任することができる対象事件は限られており,たとえば酒気帯び運転などの疑いで勾留された場合には,国選弁護人を選任することはできませんでした。
この度,法改正によって,被疑者国選弁護制度の対象事件が拡大されました。平成30年6月から,勾留された全事件について被疑者国選弁護人の選任を請求することが可能となります。
もっとも,「勾留」に至る前の「逮捕」段階では,なお被疑者国選弁護人を選任することはできません。「勾留」と「逮捕」はいずれも刑事事件の被疑者の身体を拘束するための手続きです。「拘留」は逮捕の後に続く手続きですが、逮捕から勾留までは最大72時間です。
逮捕された方は,今後の手続や見通しについて不安を持つ方がほとんどですし,なるべく早期に弁護人と面会し,法的な助言を受けることが重要です。
沖縄弁護士会は,逮捕された方が弁護士から迅速に助言を得ることができるようにするため,当番弁護士制度を実施しています。当番弁護士制度とは,逮捕された人やその親族からの申出があった場合,弁護士が一度無償で面会に行き,助言を行うというものです。弁護士は申出から原則として24時間以内に面会に行くことになっており,迅速に助言を得ることができます。
沖縄弁護士会
会員 大城 真依子
※琉球新報2018年5月23日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。