法律コラム

 

みかじめ料の要求

Q.繁華街で飲食店を経営しています。暴力団からみかじめ料の要求をされています。どうすればよいでしょうか。

 
A.みかじめ料とは,暴力団が縄張りの中にある飲食店や風俗店等に対して用心棒代と称して受け取る金銭のことです。いわゆる暴力団対策法や暴力団排除条例等によって,暴力団の活動には厳しい規制が課されていますが,暴力団によるみかじめ料の要求等の不当要求行為はまだまだ行われており,振り込み詐欺などの特殊詐欺,ヤミ金融等の資金獲得活動も活発化しています。
 
 指定暴力団の構成員による不当要求行為に対しては,県公安委員会から中止命令を出すことが出来ます。中止命令に違反した場合は,刑事罰を科すこともできます。また,構成員だけでなく,組長に対しても返還請求や損害賠償請求等ができます。
 
 県内ではかつて暴力団同士の激しい抗争が繰り返されてきました。いわゆる「第6次抗争」では,高校生が抗争に巻き込まれて射殺されるなどの痛ましい事件まで起きています。現在,県内の暴力団は旭琉會に一本化されています。しかし,最近山口組の分裂抗争が起きたように,県内でもいつ分裂抗争が起き,不当要求行為だけでなく,一般の方の生活が脅かされてもおかしくないという状況です。
 
  沖縄弁護士会では,民事介入暴力対策特別委員会を設け,沖縄県警察及び暴力団追放沖縄県民会議と連携して,暴力団に対する損害賠償請求や暴力団組事務所の撤去などに積極的に取り組んでいます。最近でも那覇市内の組事務所の撤去を実現しました。
 

  不当要求行為を受けたことがある方,現に支払いをしている方も怖がらずにご相談下さい。不当要求行為に限らず,暴力団に関するあらゆる相談に応じていますので,是非お気軽にご相談ください。

 
沖縄弁護士会
会員 寺田 明弘
 
 
※琉球新報2017年12月26日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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