Q.この頃「法教育」と聞くことがありますが,実際にはどのようなことをしていますか?
A.「法教育」とは、子どもたちに、将来の民主主義の担い手として、法や司法制度の基礎となる価値を理解し,法的なものの考え方を身に付けてもらうための教育です。改訂学習指導要領において,学校教育にも取り入れられています。
法教育は,個々の法律の知識を教える「法律」の教育とは異なり,「社会にはいろいろな意見や考え方を持つ人がおり,その中で自分なりの意見を持ちつつ、人との間で意見を調整しながら、社会生活を送っていくための考え方」を身に付けてもらうことを主眼に置いています。
沖縄弁護士会では、法教育活動として,学校に弁護士を派遣する出張授業のほか、春・夏休みにジュニアロースクールを開催しています。
出張授業では、架空の近隣紛争について、小学高学年の児童が,住民・客・店長など異なる立場の当事者役となり,問題解決策を話し合いました。本年3月には宮古島にてジュニアロースクールを開催し,架空の殺人未遂事件を題材に、中学生が,裁判官・検察官・弁護人役となり,模擬裁判を体験しました。参加した子ども達は,最初は慣れないながらも,自分の意見を述べ,参加者同士で議論を重ねるうちに,ものごとを解決する方法や考え方を見つけ出しています。
沖縄弁護士会では,高校生を対象に「模擬選挙を体験しよう!」をテーマとしたジュニアロースクールを本年8月7日(月)に開催します。弁護士と一緒に、政策について考えたり、模擬投票をしたりしてみませんか?ご興味をお持ちの生徒、保護者、学校関係者の方々は、沖縄弁護士会(電話098(865)3737)までお気軽にご連絡ください。
沖縄弁護士会
会員 末松 実紗
※琉球新報2017年7月26日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。