法律コラム

 

法的教養身に付ける

Q.近頃、小中高等学校で「法教育」に関する授業が行われているようですが、一体どのような内容でしょうか?

 

A.法教育」とは、将来の民主主義を担う子供達へ、法や司法制度の基礎にある考え方や法的教養を身に付けてもらう比較的新しい教育です。今般の新学習指導要領の改訂において取り入れられ、法教育の指導の充実強化が図られています。
法教育の目的は「社会には多様な考え方をもつ人がいること、その中で自分なりの意見を持ち、他者と意見を調整しながら問題を解決する考え方」を、子供達に身につけてもらうことにあります。法教育とは専門家向けの法律の知識を教える「法律」教育とは異なり、身の回りの様々な問題を解決するための「考え方」を身につけてもらうための教育なのです。
 
 沖縄弁護士会では、法教育の一環として、県内小中高等学校に弁護士を派遣する出張授業や、ジュニアロースクールといった活動を行っています。
 過去に小学校で行った出張授業では、身近な架空の紛争(カラオケ店の騒音問題)について、子供たちにカラオケ店長、利用客、周辺住民といった異なる利害を持った当事者役を配役し、問題解決策を話し合ってもらいました。
 今年3月末には、宮古島で、裁判所、検察庁との共催で、中学生を対象にジュニアロースクールを開催します。おとぎ話をアレンジした「白雪姫殺人未遂事件」を題材に、生徒達に裁判官役・検察官役・弁護士役をやってもらい、実際の裁判所の法廷で刑事裁判さながらの体験をしてもらう予定です。

 

沖縄弁護士会
会員 古謝 千尋 
※琉球新報2017年3月23日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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