法律コラム

 

残業代 支払われず

Q.私の職場は忙しく,連日残業で休日出勤もあります。上司は「残業代は出ない」と言っていますが,残業代は払ってもらえないのでしょうか。また,私の母は一人暮らしで,生活に困窮し生活保護を申請したところ「子どもには親の面倒をみる義務がある。子どもに収入があるなら,生活保護を受ける前に仕送りしてもらいなさい」と言われ,申請できませんでした。私に収入があると母は生活保護を受給できないのですか。


A.週40時間,1日8時間を超えて働いた場合,原則使用者は労働者に残業代を支払う義務があります。残業代は,時間外労働の場合は25%割増しに,休日出勤の場合は35%割増しにするなど,通常の賃金に加え一定の割合で割増しして支払わなければいけません。よって,あなたは内容に応じた残業代を受け取ることができます。
  

  次に生活保護の件ですが,あなたに収入があっても、それだけで、お母さんが生活保護を受給できないわけではありません。ただし,仕送りをした場合,それがお母さんの収入とみなされ,保護費を減らされることもあります。
 

  憲法25条は生存権を保障し,すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有しています。沖縄弁護士会は,労働と生活保護の場で問題を抱えている方に向けて「労働と生活保護の相談窓口」を設け①労働者側の労働に関する相談②生活保護受給者や受給希望者の生活保護に関する相談―について,その分野に詳しい弁護士が対応します。初回の相談料は無料です。予約受け付けは平日9~17時。お気軽にお問い合わせください。
 

沖縄弁護士会
会員 山田 英之
 
※琉球新報2016年7月20日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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