法律コラム

 

賠償合意、よく考えて

Q.半年ほど前にバイクを運転していたところ、停車中に後ろから車に追突され、左腕を負傷しました。今でも左腕は半分近くしか上がらず、お医者さんが言うには、これ以上は動くようにはならないかもしれない、とのことでした。ずっとこのままかもしれないと思うと、とてもショックです。保険会社から損害賠償額を提示され、書類にサインするよう言われていますが、サインしてしまってよいのでしょうか。


A.保険会社から提示された損害賠償額に応じてサインをすると、原則として、その書類に書いてある以上の賠償金をもらうことはできなくなります。そのため、保険会社から渡された書類にサインする場合は、よく考えて後悔のないようにする必要があります。
  

  実は、保険会社から提示される賠償額は、裁判で認められる金額より低いことも少なくありません。
 

  また、保険会社が認定した後遺障害の内容に納得がいかないときは、異議を申し立てることができます。後遺障害の認定の内容によって、賠償額は大きく違ってきます。
 

  そこで、保険会社から提示された賠償額や、認定された後遺障害の内容などに疑問がある場合は、交渉や裁判の専門家である弁護士に相談してみるとよいと思います。
 

  県内には、那覇市と沖縄市の2か所に、交通事故に関して弁護士に無料で相談できる相談所があります(「公益財団法人日弁連交通事故相談センター」といいます。)。1回の事故につき5回まで無料で相談できますので、ご利用を検討されてはいかがでしょうか。沖縄弁護士会が窓口となっていますので、相談を考えている場合は事前に電話をしてみてください。☎098(865)3737。
 

沖縄弁護士会
会員 山下 裕平
 
※琉球新報2016年4月19日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

 

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