法律コラム

 

遺言書で相続の意思示す

Q. 不動産や預貯金を持っているのですが、遺言書を書くべきか悩んでいます。どのような場合に作成しておくべきなのでしょうか。


A.財産をどう分けるか遺言書で決めておかないと、法定相続分に従い相続人に平等に分けることが基本となります。
  

  遺言書の作成が必要な典型的例は、特定の誰かに特定の財産を遺したいとか、財産を多く相続させたい、などと考えている場合です。自分の介護をしてくれた人に多くの財産を渡したい場合、遺言書を作成しておく必要があります。
 

  沖縄では、トートーメー承継という問題もあります。わざわざ遺言書を作成しなくとも、トートーメーも財産も全て長男が承継すると考えている方は多いと思います。しかし法律上はトートーメー承継者が財産を全て引き継ぐことにはなっていません。
 

  遺言は通常は口頭ではなく文書によって残す必要があり、その作成方法として自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言は氏名日付を記載した上、押印し、全文を手書きで作成します。公正証書遺言は公証人役場で公正証書の形にします。自筆証書遺言は手軽ですが、自分で保管することになるので、死後に破棄されたり書き換えられたりするリスクがあります。公正証書遺言は公証人役場に保管されます。
 

  毎年4月15日は、「遺言の日」です(「ヨイ(4)イゴン(15)」)。沖縄弁護士会では、4月15日(金)午後1時30分~4時30分に県立博物館・美術館で、遺言・相続税に関する講演会と弁護士・税理士による法律・税務相談会を開催します(参加無料)。相続の悩みを解消する機会としてぜひご利用下さい
 

沖縄弁護士会
会員 高塚 千恵子
 
※琉球新報2016年3月17日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

 

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