法律コラム

 

「法教育」で社会生活習得

Q.近頃、学校で「法教育」をテーマとした授業が取り入れられていると聞きました。どのようなことをしているのですか?


A.沖縄弁護士会は、小中高の各校に弁護士を派遣して行う出張授業や、子どもたちが裁判官や弁護士役となって模擬裁判などを行うジュニアロースクールといった法教育活動を行っています。
 

 法教育は、子どもたちに、個人を尊重する自由で公正な民主主義の担い手として、法や司法制度の基礎になっている考え方や法的なものの考え方を身に付けてもらうための教育です。沖縄弁護士会の法教育活動では、身近な題材を例にして「社会にはいろいろな考えの人がいること、その中で自分なりの意見を持ちつつ、他者との間で意見を調整しながら、社会生活を送っていくための考え方」を身につけてもらうことを主眼に置いています。
 

 例えば、先日、小学校で行った出張授業では、架空の紛争(カラオケ店からの騒音問題)について、児童たちにそれぞれカラオケ店長、利用客、周辺住民などの立場に立ってもらい、問題解決策を話し合う授業を実施しました。授業のヤマ場は、児童がおのおのの役柄になりきって、原告・被告に分かれて主張を闘わせる模擬裁判でしたが、各児童は、制限時間いっぱいを使って、活発な討論を展開してくれました。
 

 今年8月5日には、県内の中学生を対象としたジュニアロースクールを開催予定です。ご興味をお持ちの生徒、保護者、学校関係者の方々は、沖縄弁護士会☎098(865)3737までお気軽にご連絡ください。法教育に関する取り組みをわかりやすく紹介したパンフレットも用意しています。

 

 

沖縄弁護士会
会員  中野 貴之 
 
※琉球新報2015年7月20日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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