法律コラム

 

虐待疑い見掛けたら

Q.最近、頻繁に近所の子どもの泣き声が聞こえます。私の子どもの話によると、その子はけがをしていることが多いそうです。親から虐待を受けているかもしれないと思うのですが、私は何かをするべきでしょうか。


A .市町村または児童相談所に連絡をするべきです。児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに市町村や児童相談所などに通告しなければならないとされています。これは子どもの親族だけではなく、全ての国民に課せられた法的義務となっています。以前は通告の対象は「児童虐待を受けた児童」でしたが「児童虐待を受けたと思われる児童」へと拡大されました。虐待の事実が必ずしも明らかでなくても通告義務が生じることになりました。
 

  残念ながら、児童虐待の相談対応件数は増加しており、虐待によって子どもが死亡した件数も高い水準で推移しています。児童虐待は子どもに対する人権侵害です。子どもを虐待から救うために、ぜひとも連絡をしてください。そして可能な範囲で子どものために力を貸してください。匿名で連絡することも可能です。連絡者や連絡内容に関する秘密も守られます。
 

  もし児童虐待やそれに関わる事項について相談をご希望されるのであれば、児童相談所が設置している窓口のほか、さまざまな機関も相談窓口を設置しています。
 

  沖縄弁護士会では現在、毎週月曜日の午後4時から午後7時まで(ただし祝祭日を除く)「子どもの悩み事110番」☎098(866)6725として、弁護士が「いじめ」「虐待」といった悩みを抱える方の相談を無料で受ける電話窓口を設置しています。お気軽にお問い合わせください。
 

沖縄弁護士会
会員  城間 博
 
※琉球新報2014年12月16日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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