法律コラム

 

借りた部屋の修復費用は

Q. 先月、長年住んでいた賃貸アパートから引っ越しました。敷金として12万円を払っていたのですが、大家からリフォーム代が20万円かかったので、差額を支払ってほしいと言われています。払うべきなんでしょうか。


A .アパートを借りる際、借り主が大家に債務を担保するために敷金を払うことがあります。敷金はアパートの明け渡し後に返還されます。返還額で問題になるのが借り主の原状回復義務です。借り主は部屋を元の状態にして返さないといけませんが、借りたときと全く同じ状態にして返す必要はありません。
 

  契約で定めた用法かつ社会通念上相当とされる使用方法で生じた汚れ、破損については直す必要はありません。つまり一般的には特別な利用方法や借り主の不注意による損耗(タバコのヤニで壁紙が変色した、物を落として床を傷つけた、ペットを飼っていて汚したなど)については借り主が修復費用を負担する必要があります。
 

  しかし日常生活から通常生じる損耗(畳の日焼け、冷蔵庫裏の壁紙の汚れ、家具の重みによる床のへこみなど)や経年劣化による損耗については借り主が修復費用を負担する必要はありません。
 

  ただし契約書などで、通常損耗の修復費用も借り主の負担とする特約を定めた場合には、借り主が修復費用を負担しなければならないこともあります。敷金問題など民間賃貸住宅に関するあらゆるトラブルの相談に対応するため、沖縄弁護士会では専用の相談窓口を設置しています。フリーダイヤル(0120)003703、受付時間=毎週水・金曜日は午前10時~正午、午後2時~4時、毎週金曜日は午後5時~7時です。電話・面談相談ともに無料です。詳しくは沖縄弁護士会のホームページをご覧ください。
 

沖縄弁護士会
会員 平良 卓也
 
※琉球新報2014年11月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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