自転車事故の賠償は?
Q.先日、小学生の子どもが自転車で交通事故を起こし、歩行者の方にけがをさせてしまいました。損害賠償しなければならないでしょうか。
A .自転車の交通事故の場合も、自動車やバイクの場合と同様、運転者の不注意により事故を起こした場合には、被害者に対して損害賠償責任を負います。この場合の損害とは、治療にかかった費用や事故が原因で仕事を休んだ場合の休業損害、通院期間等に応じた慰謝料などをいいます。
小学生のお子さまが事故を起こした場合、お子さま自身は賠償責任を負わない場合でも 、監督義務者である親が賠償責任を負う可能性があります。自転車の場合には、自動車の自賠責保険のような強制保険制度がなく、また任意の保険にも入っていないことが多いため、高額の賠償額を自己負担しなければならない場合があります。
実際に小学生の子どもが重大事故を起こした事案で、その親に対し、高額の賠償責任が認められた裁判例もあります。
近年、自転車の利用者増加に伴い、自転車側が加害者となる交通事故が社会的な問題として取り上げられるようになっています。自転車は子どもも利用できることから、子どもが交通事故の加害者になる危険があり、注意が必要です。
日本弁護士連合会が設立した公益財団法人日弁連交通事故相談センター沖縄県支部では、原則として3回まで無料で法律相談に応じており、自転車の交通事故も受け付けています。沖縄弁護士会098(865)3737。自転車による事故を含め、交通事故のことでお悩みの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。
沖縄弁護士会
会員 伊志嶺 公一
※琉球新報2014年8月19日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。