法律コラム

 

犯罪被害者の裁判参加は?

Q.先日、自宅に強盗が押し入り、現金などを奪われました。容疑者は逮捕されましたが、私は裁判に参加することはできないのでしょうか。また、損害賠償を請求できますか。


A .強盗の容疑者が逮捕され、起訴された場合、刑事裁判によって、有罪か否か、有罪ならどのような刑罰を受けるかが決まります。
  

  従来の刑事裁判では、被害者は被告人の刑事裁判に直接参加することはなく、被害者の処罰感情等が被告人に対する刑罰の程度を決める要素の一つとして考慮されるに過ぎませんでした。
 

  しかし被害者の権利利益の保護のため、2007年、犯罪被害者等基本法を受けて法律が改正され、殺人、強盗、強姦などの一定の重大事件については、被害者が刑事裁判に参加し、証人尋問や被告人質問を行い、処罰に関する意見を述べたり、弁護士を通じてこれらの手続を行うことができるようになりました。また一定の事件については、刑事裁判を利用した簡易な手続により、被告人に対する慰謝料や損害賠償の請求を申し立てることができるようになりました(損害賠償命令制度)。
 

  犯罪の種類や、刑事裁判の進捗状況などによって、被害者が利用できる制度は異なります。もしあなたが犯罪の被害に遭ったら、できるだけ早く専門家による相談を受けることが重要です。沖縄弁護士会では、ことし1月から犯罪被害者に対し、初回無料の法律相談を行っています。問い合わせは沖縄弁護士会(電話098-865-3737)までお尋ね下さい。
 

沖縄弁護士会
会員 原田 育美
 
※琉球新報2014年2月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

 

前のページへ戻る