法律コラム

 

被疑者を弁護する理由は?

Q.悪いことをして逮捕された人をなぜ弁護しなくてはいけないのですか?


A .逮捕された人が必ずしも悪いことをしたとは限りません。法律上は,捜査の対象になっている人(被疑者)が罪を犯したと疑うのに足りる相当な理由があるときには逮捕できるとされています。しかし逮捕された段階をもって「罪を犯した」とは断定できません。
 

 実際に,昨年に起こったパソコン遠隔操作事件(真犯人が他者のパソコンを遠隔操作し,インターネットの電子掲示板に犯罪予告を行ったサイバー犯罪)では,パソコンを操られた人が犯人と間違われて逮捕されています。
 

  このような,冤罪(無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと)を防ぐために,弁護人は被疑者を弁護する必要があるのです。
  

 被疑者が悪いことをしたとしても,黙秘権(言いたくないことは言わなくてよい権利)などの基本的な権利は守らなくてはいけません。
 

 また被疑者の身体拘束が長引くことによって,必要以上に身体の自由が制約されてもいけません。さらに,被疑者が処罰されるとしても,法律に定められたルールに従って適正に処罰されなければなりません
 

 このような権利や自由を守るために,たとえ悪いことをした被疑者であっても,弁護しなくてはいけないのです。
 

  また,逮捕された被疑者に代わって被害者への謝罪や被害弁償などを行い,早期に被害の回復に努めることも,弁護人としての重要な役割です。
 

  このように,悪いことをしたか否かにかかわらず,捜査の対象となっている人すべてに,弁護人は必要なのです。
 

  沖縄弁護士会では,一人一人の被疑者に対して適切な弁護活動を行うための体制を整えております。お困りの際は,気兼ねなく沖縄弁護士会まで問い合わせて下さい。 

沖縄弁護士会
会員 久米 雅史
 
※琉球新報2013年9月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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