法律コラム

 

労働問題、一人で悩まないで

Q.今の会社に就職して以降、毎日夜遅くまで働かされているのですが、会社が残業手当を支払ってくれません。労働基準監督署に相談に行き、監督署から会社に指導をしてもらったのですが、効果がありません。このような場合、弁護士に相談すれば弁護士はどのように対応してくれるのでしょうか。


A .人間らしく働く権利については、労働関係の法令によって手厚く保護されています。いわゆる「残業」に関しても労働基準法に定めがあり、法定労働時間(普通は1日8時間、週40時間)を超える労働をした場合には、割増賃金を請求することができます。使用者が、割増賃金を支払わないときには、本来の割増賃金に加えて、これと同額の付加金の支払を命じられたり、悪質な場合には刑事罰が科される可能性もあります。
 

 ご質問のようなケースについての対応例としては、タイムカードなど労働時間を裏付ける資料を収集した上で、労働基準法や就業規則に照らして時間外労働手当、深夜割増手当、休日手当などを算出して使用者に支払を求め、必要に応じて労働審判の申立や訴訟提起等の裁判所での手続を行うこともあります。
 

  沖縄弁護士会では随時、労働問題や生活保護に関する相談を受け付けています。弁護士費用を捻出するのが困難な場合には、日本司法支援センター(法テラス)の援助を受けることもできますので、労働問題に直面した場合には、一人で悩まずにお気軽に弁護士にご相談ください。
  

沖縄弁護士会
会員 野村 嘉伸
 
※琉球新報2013年5月21日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

 

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