環境保護にも積極関与
Q.沖縄弁護士会は県内の環境保護にも取り組んでいると聞きました。弁護士の仕事と環境保護はどのように関係するのでしょうか。
A .最近、奄美・琉球を世界自然遺産「暫定リスト」に載せることが決まりました。政府は、2016年夏の世界自然遺産登録を目指しています。サンゴ礁が育む美しい海、ヤンバルの森など沖縄の自然環境が、世界的にも極めて貴重であるということです。他方、1972年の復帰後、沖縄振興開発の名の下に、莫大な国家予算が投じられて、多数の大型公共事業が実施されてきました。例えば、県内の埋め立て総面積は、約27平方km(セルラースタジアム1061個分)にも及びますし、ヤンバルの森には、至る所に舗装された林道が建設されています。沖縄の美しい自然環境が年々失われていることは事実です。
弁護士が環境保護に関わるのは裁判だけではありません。沖縄弁護士会として、国や県に対し、問題のある公共事業等に関し、事業の見直しを求める意見を出すこともあります(泡瀬干潟の埋め立て、辺野古埋め立て等)。また、沖縄の自然環境(破壊)の現状や計画中の公共事業の問題点等を県民の皆様にご理解いただくため、シンポジウム等を開催したりしています。昨年9月のシンポジウムでは、那覇空港第2滑走路が建設された場合に消失する大嶺海岸の豊かな自然環境を紹介しました。沖縄の貴重な自然を守っていくには県民の皆様の意欲と行動が必要になります。是非、このような弁護士会の企画にも関心をお持ちいただき、ご参加ください。
沖縄弁護士会
会員 釜井 景介
※琉球新報2013年3月19日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。