反ヘイト条例とは
反ヘイト条例とは
Q.沖縄県で反ヘイト条例ができたと、テレビや新聞報道で知りました。どのようなことを定めた条例なのでしょうか。
A.今年3月31日、「沖縄県差別のない社会づくり条例」が公布されました。各種報道では「反ヘイト条例」「ヘイトスピーチ条例」とも記載されています。
この条例は、何びとも人種・信条・性別・性的指向・社会的身分・出身その他の事由を理由とする差別をしてはならないという認識のもとで制定されました。
県内自治体・事業者等が連携して社会全体としてこのような差別のない社会づくりを推進しようという理念のもと、具体的な施策としては、大きく三つの項目を定めています。
①「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」の趣旨を踏まえ、本邦外出身者に対する差別的な言動を防止していくための各種施策について定めたもの。このような差別的言動がなされている場合には、県はあらかじめ審議会の意見を聞いた上で、これらの事務を所管する国の行政機関への通報、行為者の氏名・名称の公表といった措置をとること。
②性的な指向・性自認を理由とする差別の解消を図るために県として各種啓発活動・相談の実施などの体制を整備すること。
③県民であることを理由とする差別的言動について、その解消に向けた施策を講じること。
この条例施行のため、「沖縄県差別のない社会づくり審議会」も発足、差別のない社会づくりのため所定事項を審議することになっています。このような、ヘイトスピーチのない社会を作っていくためには、県民の皆様のご理解・ご協力も欠かせませんので、県民の総意で取り組んでいただくことが望まれます。
沖縄弁護士会
会員 河井 耕治
※琉球新報2023年12月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。