適格消費者団体とは
適格消費者団体とは
Q.最近、沖縄県内のNPO法人が適格消費者団体に認定されたというニュースを目にしましたが、そもそも「適格消費者団体」とは何ですか?
A.2023年7月20日、NPO法人消費者市民ネットおきなわが全国で24番目の適格消費者団体に認定されました。でも、そもそも「適格消費者団体」をご存じないという方も多いかと思います。
消費者庁のHPには、適格消費者団体とは、「不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するために差し止め請求権を行使するために必要な適格性を有する消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた法人」と記載されています。もう少し詳しく説明しますと、「差し止め請求」というのは、事業者による不当勧誘行為、不当な契約条項の利用、不当表示などの行為に対して、その是正や差し止めを求めて申入れをしたり、裁判をしたりすることです。適格消費者団体は、このような活動を通じて消費者被害の未然防止や拡大防止を図ることで、不特定かつ多数の消費者の利益の擁護を目指しているのです。
適格消費者団体は、あくまで不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するために差し止め請求権を行使するので、個別具体的な事案の解決を求めたい場合には、消費生活センターや弁護士事務所に相談する必要があります。「じゃあ活動する意味が無いんじゃない?」と思われるかもしれません。しかし、消費者問題は、すでに被害が生じてしまうと、その被害回復は極めて困難であることが多いため、被害の未然防止や拡大防止というのは大変重要です。そのため、適格消費者団体が適切に差し止め請求権を行使して消費者被害の未然防止や拡大防止を図ることは、大変重要な活動なのです。NPO法人消費者市民ネットおきなわも、今後の活躍が期待されています。
沖縄弁護士会
会員 横井 理人
※琉球新報2023年10月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。