法律コラム

 

養育費の取り決め

養育費の取り決め

 
Q.私は、シングルマザーです。元夫と離婚する際、養育費の取り決めをしないまま、離婚届を出してしまいました。現在、私は子どもを抱えて働いていますが、子どもの世話もあって出来る仕事も限られ、生活は苦しいです。養育費の支払いを受けたいのですが、元夫は仕事に就いているのに養育費を負担せず話し合いにすら応じてくれません。周囲に頼れる人もおらず、どこに相談していいかわかりません。
A.養育費は子を養育するための費用です。両親には子を扶養する義務があり、離婚した場合も双方がその経済力に応じて子の養育費を負担しなければなりません。とりわけ、現在は新型コロナの感染拡大により、女性の雇用は深刻な影響を受けており、養育費の重要性は増しています。
 

 元夫が養育費分担の話し合いに応じない場合、家庭裁判所に調停の申立てをして養育費の支払いを求めることができます。調停手続を経ても合意に至らない場合には、子の人数や双方の収入などの事情を考慮して、裁判所が審判により決めます。裁判所の審判が確定した後も元夫が養育費支払いを拒否している場合、元夫の預金や給料などの差押手続をすることが可能になります。一連の手続について詳しいことは弁護士への相談をおすすめします。

 

 沖縄弁護士会では、「女性のための女性弁護士による法律相談」として、女性が抱える問題に特化した法律相談窓口をもうけています。相談希望の方は沖縄弁護士会(098-865-3737)までお問い合わせください。

 

 さらに、当会では、6月29日(水)には全国一斉女性の権利ホットライン(無料電話法律相談)を実施します(午前10時から午後2時まで/電話番号:098-860-5015)。養育費に関する相談もできますので、ぜひこの機会をご利用ください。

沖縄弁護士会
会員 伊佐 香菜子
 
 
※琉球新報2022年6月28日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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