法律コラム

 

夫が暴力を振るう すぐに逃げ、助け求めて
夫が暴力を振るう すぐに逃げ、助け求めて

 Q 夫がお酒を飲むと暴れて,時々暴力を振るうことがあります。警察に相談しようと思いますが,家庭内の問題なので取り合ってもらえるか心配です。離婚も考えていますが夫は応じてくれません。どうしたらいいでしょうか。


 A 夫から暴力(DV)を受けた時はまず,暴力から逃れることが大切です。すぐにほかの場所に逃げたり,110番通報をしたりして助けを求めて下さい。新型コロナウイルス禍の外出自粛などの影響でストレスを抱え,家庭内で暴力を振るうケースが増えています。夫婦間であっても,刑法上の暴行罪または傷害罪は成立します。別居しても,夫が押しかけて来て暴力を振るうおそれがある場合には,女性シェルターに入ることや,夫の接近を禁止する保護命令の申し立ての手続きを取ることもできます。方法がわからない時は,配偶者暴力相談支援センターなどの支援機関や弁護士にご相談ください。


 また、夫が離婚に応じてくれない場合やそもそも離婚について直接話し合えない時は,家庭裁判所に離婚調停の申立てをすることもできます。離婚調停は第三者である調停委員が間に入って,裁判所で離婚について話し合う手続きです。まとまらなければ,離婚裁判を起こす手段もあります。裁判の結果,離婚請求が認められると,相手の同意がなくても離婚することができます。


 DV相談窓口として,女性相談所のほか県内5箇所の福祉事務所内に配偶者暴力相談支援センターが設置されています(市町村役場の窓口でも案内してくれます。)。沖縄弁護士会では,6月29日午前10時~午後2時に全国一斉女性の権利ホットラインとして無料電話相談を開催します。電話番号は098(860)5015。一人で抱え込まず,ぜひ相談してください。

             

沖縄弁護士会

会長 仲村こず江 

※沖縄タイムス2022年6月6日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

前のページへ戻る