法律コラム

 

多額の返済で将来不安 社会的要因への対処を
多額の返済で将来不安 社会的要因への対処を

Q 私は、パートで生計をたてながら一人暮らしをしています。父は約5年前に亡くなり、母は入院しています。最近、父の知人から生前父に500万円を貸していたので、返してほしいと連絡がありました。分割で返済できるときに返していますが、新型コロナウイルス感染症の影響で出勤日を減らされ、生活はギリギリです。これまで真面目に生活してきましたが、突然多額の返済を背負い、将来が不安で仕方ありません。入院中の母とも面会できず、誰にも相談できません。夜も眠れず、生きる意味がない、消えてしまいたいと感じています。私の相談に乗ってくれるところはあるのでしょうか。


A 夜眠れない、消えてしまいたいという心身の不調は、心の健康の問題かもしれません。心の健康を害する背景には、労働環境や多重・過重債務など、様々な社会的要因が隠されていることがほとんどです。自死に至ってしまうのは、種々の社会的要因によって心理的に追い詰められ、心を病み、正常な判断ができない状態に陥ってしまったからであるともいわれています。


 この方の場合は、こころのケアだけでなく、背景にある社会的要因への対処が問題解決につながるといえそうです。沖縄弁護士会では、悩みを抱える方々が自死に追い込まれてしまわないよう「いのちみつめる無料法律相談」という専用ダイヤルを設けています。電話は、098-943-3748(平日午前9時半~午後4時、土曜日、祝日は除く)。弁護士が直接相談を受け、法的な観点から問題の解決策を考えていくことで、不安を取り除くお手伝いをしています。


 ご本人からの相談はもちろん、周囲でサポートされている方や身近な方を自死により亡くしてしまった方からの相談も受けています。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

             

沖縄弁護士会

会員 大城真依子 

※沖縄タイムス2022年3月21日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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