弁護士が出前授業 「ルール」の大切さ学ぶ
Q 最近、コロナウイルスの影響もあってか、「法律」があふれているように思います。子どもたちから「なぜ自由に(生活)できないの?」「(ルールを)守らなくてもいいのでは」と言われることがあります。このようなことを、弁護士に教えてもらえる機会はありますか
A 最近、さまざまな場所で「法」という字を目にします。自由な行動が制限されることについて、漠然とダメだといったところで、子どもたちが納得できないのは当然です。
近年、小中学校で「法教育」に関する授業が行われていることから、弁護士会では、弁護士が学校に出張するなどして、「法」や「ルール」が、一人一人の存在を大切にしながら、多様な意見を調整して作られていることを学んでもらう授業を実施しています。法の考え方を学ぶテーマは、実は私たちの生活に密着する形でたくさんあります。例えば、身近な架空の紛争(カラオケ店の騒音問題)について、カラオケ店の店長や利用客、周辺住民など異なる利害を持つ当事者役を配し,子どもたちにルール作りやハプニング事例の議論をしてもらったことがあります。このような授業を通じて、ルールの重要性のみならず、子どもたちが自由な発想で自分の考えを持ち、自分と違う意見があることを理解し、対立する利害を調整しながら主体的に社会の一員として生きる力を身に着けてもらうことを目標としています。
沖縄弁護士会では、題材を多数用意して小中高校へ出前授業を行うほか、年2回、夏休みと春休みにジュニアロースクール(JLS)を開催、主権者教育なども実施しています。今年も春休みの3月29日に、中学生を対象にしたJLS で模擬裁判をする予定です。興味のある方はぜひ、沖縄弁護士会にご連絡ください。
沖縄弁護士会
会員 古謝千尋
※沖縄タイムス2022年2月7日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。