法律コラム

 

コロナ影響で借金返済困難

コロナ影響で借金返済困難

 
Q.人で飲食店を経営しているのですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上げが減少したため、借金の返済が困難になってしまいました。借金を減額するための方法はありませんか?
 
A.「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の特則(以下「コロナ特則」といいます。)を利用することが考えられます。
 

 コロナ特則は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた個人・個人事業主の債務整理を行い、生活や事業の再建を支援するための制度です。コロナ特則では、一定の要件を満たした場合に、住宅ローンやカードローン等の債務について、住宅を手放すことなく、住宅ローン以外の債務の免除・減額などを申し出ることができます。

 

 コロナ特則には、①弁護士等の「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられること②財産の一部を手元に残せること③個人信用情報として登録されないこと-の3つのメリットがあります。

 

 コロナ特則を利用する場合には、最も多額のローンを借りている金融機関等へ、ガイドラインの手続着手を希望することを申し出て、同意を得た後、地元弁護士会等を通じて、東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関に対し、「登録支援専門家」による手続支援を依頼します。

 

 債務者は、登録支援専門家の支援を受けて、①債務整理(開始)の申し出を行い、②債務整理の内容を盛り込んだ調停条項案を作成し、③調停条項案について債権者と協議を行います。④調停条項案について債権者から同意を得た後、簡易裁判所へ特定調停の申し立てを行い、特定調停手続により調停条項が確定すれば債務整理成立となります。

 

 沖縄県内においても、コロナ特則を利用して債務額が減額・免除となった事案があります。

沖縄弁護士会
  会員 久貝 克弘
 
 
※琉球新報2022年1月18日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

前のページへ戻る