在沖外国人の起業
在沖外国人の起業
Q.私は沖縄県内に住む外国人です。自分の国から商品を輸入して事業をするため、小規模の会社を立ち上げることを考えていますが、どうしたらいいでしょうか。
A.コロナウィルスのため海外との交流に影響が出ているとはいえ、沖縄にもすでに海外出身の方が多く住んでいます。県内企業に勤務されている方も多く、なかにはご自分の知識・経験を活かして事業を立ち上げようと考える方もいらっしゃることでしょう。
外国人の場合、それぞれの在留資格によって活動できる内容が細かく定められています。日本国内で事業をするためには、いわゆる経営ビザを入管に申請して取得する必要があります。経営ビザを取得するためには、事業の運営に関する重要事項の決定、業務の執行、監査の業務などに従事することや、事業に適正性、安定性、継続性があること、といった事情が認められなければなりません。事業所の場所、設備、従業員の数や資格などについても条件があります。
経営ビザの審査は、この書類を提出しさえすれば大丈夫、というような画一的ものではなく、個別の事情に即した具体的な説明や詳しい資料が必要になる場合があります。入管がどのような事情や資料を求めているのか、正確に理解して対応することが重要です。
沖縄弁護士会では、在沖外国人に対する法律相談事業の取り組みのなかで、一定の条件のもと通訳人同席による法律相談をしています。経営ビザに限らず、個々のビザ申請について実情に即した法的なアドバイスを受けたり、申請の代行を弁護士に依頼することで、申請が却下されるリスクを減らすことは可能です。よくわからないまま申請して却下されてしまう前に、一度専門家のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。
沖縄弁護士会
会員 折井 真人
※琉球新報2021年12月17日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。