法律コラム

 

ネット相談窓口大丈夫? 紛争事案や交渉 弁護士に
ネット相談窓口大丈夫? 紛争事案や交渉 弁護士に

 

Q 新型コロナウィルス禍で解雇されてしまい、貯金が底をついたため、金融機関からの借入で賄ってきました。返済のめどが立たないことから借金の整理を専門家に相談したいと考え、インターネットで検索したところ、無料相談をうたうある団体が見つかりました。相談しても大丈夫でしょうか?

A インターネットで、「借金」や「債務整理」「交通事故」「離婚」「相続」などと検索すると、多数の相談窓口がヒットします。弁護士以外の士業や中には民間団体もあります。法律相談のうち、紛争性のある事案や相手方と交渉が必要なケースは弁護士しか相談を受けることができません(140万円以下の事案では認定司法書士も可)。民間団体の中には、「必要なときは弁護士を紹介します」とうたっているところもありますが、問題なのは、紹介された弁護士が事件を受任した形をとりますが、実際の事件処理は弁護士ではなく、弁護士資格のない者が行っているケースがあるということです。このようなケースを「非弁提携」と言います(弁護士が弁護士でない者と提携し事件処理をすること)。


 弁護士は、資格がないのに弁護士と類似の活動をする者、またはその疑いのある者から依頼者の紹介を受けることや名義を利用させることを禁じられています。職務の清廉性を保持するとともに、適切な事件処理を担保し依頼者の権利を擁護するためです。紹介された弁護士とは最初に顔合わせしただけとか、弁護士と連絡を取ろうとしても全くつながらない、または事務所が遠方で実際に足を運んだことがない、同種の事件を多数受任している様子などの事情があった場合は、非弁提携が疑われます。何らかのトラブルに巻き込まれる前に、一度弁護士会にご相談下さい。

             

沖縄弁護士会

会員 平良卓也 

※沖縄タイムス2021年11月15日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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