法律コラム

 

性の多様性 互いの人格を尊重大切
性の多様性 互いの人格を尊重大切

Q 最近、新聞やテレビで「LGBTQ」や「性の多様性」という言葉を聞きます。しかし、身近に性的少数者の人はいないし、私たちにどんな関係があるのかわかりません。

 

A 浦添市では「性の多様性を尊重する社会を実現するための条例」が制定され、県は「性の多様性尊重宣言」を、那覇市は「レインボーなは宣言」を発表しており、県内では社会的に性の多様性を尊重していこうという動きが進んでいます。LGBTQとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア(クエスチョニング)の頭文字で、自らの性自認をどう考えるか、どのような性的指向を持っているか、社会的にどのように性を表現するかについてのさまざまな在り方を示しています。人口の8%前後が性的少数者に当たるという調査結果があります。左利きの人の割合とほぼ同じです。性的少数者の人たちはこれまで、偏見・奇異の目で見られたり、差別を受けたりしてきました。そのため、未成年者の自殺率が高く、カミングアウトできない人が多いと言われています。あなたの周りに20人くらいの人がいたら、そのうち1〜3人は左利きの人かもしれません。それと同じくらいの割合で、性的少数者の方がいるかもしれません。皆さんが気付いていないだけ、ということもあるのです。


 学校や職場、親戚らの集まりでは、性の在り方は多様であることを念頭に人と関わってください。多様性を尊重することが、互いの人格を尊重することになるという気持ちで人に接してください。その積み重ねが本当に人を大切にする沖縄社会づくりにつながるはずです。 


 沖縄弁護士会はLGBTQの無料電話相談を受けています。電話番号は080-7986-3595。ホームページもご確認ください。


 

            

沖縄弁護士会

会員 河井 耕治 

※沖縄タイムス2021年7月26日『くらし』面に掲載したものを一部修正しています。

 

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